
朝日に輝くトースト。
ただのトーストではありません。
何故かというと、我が家の小麦で作った初めてのパンだから。

去年の10月に「ゆきちから」という銘柄の小麦のタネをまき、厳しい冬を乗り越えて5月には青々と育ちました。

7月には立派に実っていよいよ収穫の時。

小さな小さなタネがこんなに育って。

田舎の家に昔からある機械が脱穀で活躍。ちょっとやらせてもらったけど、片足で踏みながら機械を動かして小麦の束をたたくのは慣れるまで大変。

名前はわからないけど脱穀した麦を入れてハンドルをまわすと小麦の殻が吹き飛んで出てきます。
出来た小麦を乾燥させて次は製粉。
製粉が終わったらすぐにピザやパンにしようね、と夫と話して町の製粉所にでかけました。
ところがここで大きな問題に直面しました。なんと小麦の製粉はしたことがないので出来ません、と断られてしまったのです。
それからあちこち製粉所や精米所に電話をして聞いたり、知り合いや友人に訪ねたり、と色々手を尽くしましたが製粉してくれるところが見つからないのです。
一軒だけ郡山の製粉所が「小麦の製粉をします」という返事。
良かった!やっと粉にできると喜んだのもつかの間、「量はどのくらいですか?」と聞かれたので「20~30㎏なんですが」と答えると「うちは10トン20トン単位ですから」という答えが返ってきて、がっかりするよりおかしくなって電話口で笑ってしまいました。

そんなこんなの日々を過ごし、自分でやるしかないと決め、先日製粉機を買ってしまいました。
夫が手回しの機械で小麦粉を挽いてくれて初めての小麦粉が360g。
その日は会津若松の自宅へ帰る日だったので、早速粉を持って帰りホームベーカリーで自家製小麦のパンを焼いてみました。
本当に自家製の小麦でパンが焼けるのか、出来上がるまでちょっと不安な気持ちで過ごす時間。
ピピッピピッとパンが焼けた合図。
そーっとふたを開けるときの祈るような気持ち。上手に焼けていますように。

あーっ!焼けてる~!嬉しいー!良かったー!と心からホッとする。
その日飲み会から帰宅した夫に早速「ダーリン、パン焼けたのよ~」と報告。
夫も「本当!」と言いながら靴を脱ぐのももどかしげにパンの所へ。
わーっ凄いなぁ!と喜んで早速試食。
家で作った小麦でパンを焼く。凄いなぁと自分で思う。
厳密に言うと夫が育ててくれた小麦のおかげ。
何とも言えない美味しさと贅沢をかみしめて味わう幸せ。
真っ白ではなくほんのり茶色で文字通り小麦色のパン。
パンが上手に焼けたので今年も小麦を作ることにしました。
来週あたり石窯でパンやピザを焼こうと楽しみにしているところです。