私の故郷横浜で1927年に開業したニューグランドホテル。
新しいタワー館もありますが、今回はどうしても、開業当時の面影を残す本館に泊まりたい!
そんな強い気持ちがどうして生まれたか自分でも不思議に思いますが、やっぱりここに泊まって良かった!
中庭で写真を撮っていると通りかかったスタッフが笑顔であいさつしたあと、よろしければお撮りいたしましょう、と声をかけてくれて夫と二人記念写真。
チェックインの時もそうだったけど、スタッフが素敵な笑顔とさり気ない心遣いでリードしてくれる。
朝食はタワー館5階の「ル・ノルマンディ」。
私たちは少し遅く行ったので窓際の席には座れませんでしたが、パノラミックレストランというだけあって大きく開かれた窓からの眺めが素晴らしい。
ノルマンディの洋食ビュッフェを何回もお代わりし、ゆっくり楽しみながら写真を撮ったりお喋りしたり。
すると何やらスタッフが近づいてくる気配。
何かなぁと思ったら、窓際の席が空きましたのでよろしければどうぞ、とのこと。
えっ!いいのぉ、と心の中で。
「コーヒーも新しいのをお持ちします、お料理もどうぞ新しくお取りください」と。でもまだ取ってきたばかりのお料理がお皿にあるので「もったいないからそれをいただきます」と思わず言うとスタッフはそっと頭を下げてありがとうございます、と言ってくれた。
その瞬間、心も身体も温かいものに包まれて、このあたりからもうニューグランドマジックにかかってしまった感じ。
案内されたのは大桟橋からベイブリッジまで一望できる窓辺の席。
ナプキンもナイフもフォークも新しくセットされ、淹れたてのコーヒーが運ばれて「どうぞごゆっくりお過ごしください」と言われたとき、何故だか涙が。
おもてなし、心遣い、色々な言葉があるけれどどれもしっくりこない。そうだ、大切!大切にされたという感じが一番しっくりくる。
もうあれから何日も経つのに忘れられないひと時。
ニューグランドが長く愛される秘訣のひとつに触れた思いでした。